社交不安障害とは

会議での発表で話したり、初対面の人や社会的地位のある人などの対人場面になると極端に不安や恐怖などを感じてしまい、赤面、発汗、動悸、等の身体症状が強く起こってしまう病気です。症状が重いと対人場面を避けるようになり日常生活に影響を及ぼしてしまうことがあります。
症状
- 手足、全身、声のふるえが出ることがある
- 人前に出ると異常に緊張する顔が赤くほてる
- 脈が速くなり、息苦しくなる
- 通常より多めの汗をかく
- 何度となく吐き気がする
- 口が渇く
- トイレが近くなる、または尿が出なくなる
- めまいがする
社交不安障害の治療
社交不安障害の治療には「薬物療法」と「心理療法」の2つ治療方法を用いることが一般的です。
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薬物療法
社交不安障害の明確な原因はまだ明らかにされておりませんが、脳内のセロトニンやノルアドレナリンなどのホルモンバランスの乱れが要因となり発症すると考えられています。そのため、社交不安障害の治療の際は脳内でセロトニンの分泌量を調整する「SSRI」やセロトニンとノルアドレナリンの両方を調整する「SNRI」、抗不安薬などを服用して社会的な場での過度な緊張を軽減します。
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心理療法
物事の考え方や捉え方、行動を変えるための認知行動療法を取り入れることもあります。しっかりと現実に向き合えるよう、不安を抱きやすい考え方を変えたり、不安にうまく対処したり、不安に慣れたりする訓練を行います。
社交不安障害の治療の流れ
まず、不安を和らげるために抗うつ剤や抗不安薬を投与します。そうすると、気分が改善してきて、対人関係の不安が改善してきます。それに加えて、心理療法で認知行動療法にて症状のさらなる改善を図ります。社会不安障害はなかなか治りにくいので、粘り強い治療が必要です。
よくある質問
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社交不安障害の人に対する接し方で気をつけるべきことはありますか?
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社交不安障害の人には以下のことを気をつけるといいです。
- 途中で遮らず、落ち着いて最後まで話を聞く
- 個別、あるいは気心の知れた少人数で会話をする
- 無理に話を促さず、相手のペースに合わせて会話をする
- 身体的、精神的に適切な距離感を保つ
また、ご本人に話しやすい状況や話しにくい状況を確認し、環境を整える手助けをしてあげるのも効果的です。
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社交不安障害がある場合、向いている仕事はありますか?
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社交不安障害がある場合、リモートワークや少人数で行う仕事などは、比較的負担が少ないと考えられます。
社交不安障害では、他人と接したり、他人から注目を浴びたりする際に、過度な不安感や緊張感を覚えます。
そのため、他人から注目を浴びる機会が少ない仕事や、人前に出ることが少ない仕事、人と接する機会の少ない仕事が比較的向いていると考えられます。
これらの条件を満たす仕事としては、ライター、デザイナー、エンジニア、夜間の警備員や倉庫作業員などが挙げられます。
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特定の人が怖いのは社交不安障害ですか?
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特定の人だけが怖い場合、強迫性障害ではない可能性が高いです。しかし、強迫性障害の可能性を完全に否定することはできません。
一般的に、強迫性障害では、特定の人に対して恐怖感を覚えるのではなく、他人に注目される場面や、そういった場面で不安感を覚える自分の姿を見られることに対して、強い恐怖感や不安感を覚えます。
そのため、特定の人にだけ恐怖感を覚える場合には、強迫性障害ではない可能性が高いです。
ただし、恐怖や不安の対象を誤認している可能性など、強迫性障害を完全に否定することはできません。
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人が多いところが苦手だったり、人の目が気になったりするのは病気ですか?
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人が多いところが苦手だったり、人の目が気になったりすることが、必ずしも病気であるとは限りません。
人前に出る場面や初対面の人と話をする際に、緊張感や不安感を覚えるのはごく普通のことで、一般的には病気とはみなされません。
ただし、他人と接する場面や他人から注目される場面で、過度な不安感や恐怖感が生じ、日常生活への支障が大きい場合には、社交不安障害と診断され、治療の対象になる可能性もあります。
過度な不安感や恐怖感によって、生活に大きな支障をきたしている場合には、精神科や心療内科を受診するようにしましょう


