知っておきたい副作用と対策
精神科薬の副作用として意外に見落とされやすいのが 性機能障害 です。
症状としては、
- 性欲低下
- 勃起障害(ED)
- 射精障害
- オーガズム障害
- 膣潤滑低下
- 性感低下
などがあります。
患者さんから言い出しにくいため、実際には報告されている以上に多いと考えられています。
最も多いのはSSRI
特に頻度が高い薬
パロキセチン
最も性機能障害が多いSSRIの一つです。
起こりやすい症状
- 性欲低下
- 勃起障害
- 射精遅延
- オーガズム障害
セルトラリン
- 射精遅延
- オーガズム障害
が比較的多くみられます。
フルボキサミン
- 性欲低下
- 射精障害
が起こることがあります。
エスシタロプラム
比較的忍容性は良いものの、
- 性欲低下
- オーガズム障害
は少なくありません。
SNRIでも起こる
デュロキセチン
ベンラファキシン
SSRIほどではありませんが、
- 性欲低下
- オーガズム障害
- 射精障害
がみられることがあります。
特にベンラファキシンは比較的頻度が高い印象があります。
高プロラクチン血症を起こす薬
スルピリド
リスペリドン
パリペリドン
これらはプロラクチンを上昇させやすく、
男性では
- 性欲低下
- ED
- 射精障害
女性では
- 月経異常
- 性欲低下
- 乳汁分泌
がみられることがあります。
特に外来で遭遇しやすいのは、
スルピリド
です。
比較的少ない薬
ブプロピオン
(日本では未承認)
海外では、
- 性機能障害が少ない
- 改善目的で追加される
ことがあります。
ミルタザピン
比較的少なめです。
ただし、
- 眠気
- 体重増加
が問題になることがあります。
アリピプラゾール
比較的少ない薬として知られています。
また、
- 高プロラクチン血症改善
- 性機能障害改善
目的で追加されることもあります。
精神疾患そのものでも起こる
重要なのは、
性機能障害=薬の副作用
とは限らないことです。
例えば、
うつ病 そのものでも
- 性欲低下
- ED
- オーガズム障害
が起こります。
治療前から評価することが重要です。
実臨床での頻度イメージ
| 薬剤 | 性機能障害 |
|---|---|
| パロキセチン | ★★★★★ |
| ベンラファキシン | ★★★★☆ |
| セルトラリン | ★★★★☆ |
| エスシタロプラム | ★★★★☆ |
| フルボキサミン | ★★★☆☆ |
| スルピリド | ★★★☆☆~★★★★☆ |
| リスペリドン | ★★★☆☆~★★★★☆ |
| パリペリドン | ★★★☆☆~★★★★☆ |
| ミルタザピン | ★☆☆☆☆~★★☆☆☆ |
| アリピプラゾール | ★☆☆☆☆ |
まとめ
性機能障害が出やすい精神科薬として特に重要なのは、
抗うつ薬
- パロキセチン
- セルトラリン
- エスシタロプラム
- ベンラファキシン
抗精神病薬
- スルピリド
- リスペリドン
- パリペリドン
です。
性機能障害は服薬中断の大きな原因になるため、診察時に積極的に確認し、必要に応じて薬剤調整を検討することが重要です。


