「気分の落ち込み」の原因は、心だけではないことがあります
「最近やる気が出ない」
「疲れやすくなった」
「イライラする」
このような症状があると、うつ病や不安障害を思い浮かべるかもしれません。
しかし実際には、
甲状腺の病気が原因で精神症状が現れることがあります。
そのため、精神科や心療内科でも血液検査で甲状腺機能を調べることがあります。
甲状腺とは?
甲状腺は首の前側にある小さな臓器です。
ここから分泌される甲状腺ホルモンは、
- エネルギー代謝
- 心拍数
- 体温
- 脳の働き
などを調節しています。
そのため、甲状腺ホルモンの量が多すぎても少なすぎても、心や身体に影響が出ます。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンが不足すると、
身体全体の働きがゆっくりになります。
よくみられる症状
- 気分の落ち込み
- やる気が出ない
- 強い眠気
- 疲れやすい
- 集中力低下
- 物忘れ
- 寒がり
- 便秘
- 体重増加
うつ病と非常によく似た症状が現れることがあります。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症
反対に、甲状腺ホルモンが多すぎると、
身体が常にアクセルを踏んだような状態になります。
よくみられる症状
- 不安
- イライラ
- 落ち着かない
- 動悸
- 手の震え
- 汗が多い
- 体重減少
- 不眠
不安障害やパニック症と似た症状が現れることがあります。
なぜ心にも影響するの?
甲状腺ホルモンは、
脳の神経細胞の働きやエネルギー代謝にも関わっています。
そのため、
ホルモンバランスが崩れると、
- 気分
- 集中力
- 意欲
- 思考力
にも影響が及びます。
精神科で血液検査をする理由
精神科や心療内科では、
甲状腺機能を確認するために、
- TSH
- FT4
- 必要に応じてFT3
などの血液検査を行うことがあります。
これは、
身体の病気が原因ではないかを確認するためです。
治療すると改善することも
甲状腺の病気が原因であれば、
甲状腺の治療を行うことで、
- 気分
- 不安
- 疲れやすさ
などが改善することがあります。
そのため、精神症状だけを抑えるのではなく、原因を見つけることが重要です。
こんなときは相談を
次のような症状がある場合は、
精神科・心療内科だけでなく、内科や内分泌内科での評価も考えましょう。
- 強い疲労感
- 急な体重増減
- 動悸
- 手の震え
- 寒がり・暑がり
- 首の腫れ
まとめ
| 甲状腺機能低下症 | 甲状腺機能亢進症 |
|---|---|
| 気分の落ち込み | 不安・イライラ |
| やる気低下 | 落ち着かない |
| 過眠・眠気 | 不眠 |
| 体重増加 | 体重減少 |
| 寒がり | 暑がり・汗が多い |
| 便秘 | 動悸・手の震え |
最後に
心の症状は、必ずしも心の病気だけが原因とは限りません。
「気分の落ち込み」や「不安」の背景に、甲状腺の病気が隠れていることもあります。
そのため、精神科・心療内科では必要に応じて血液検査を行い、身体の病気を見逃さないようにしています。原因を正しく見極めることが、適切な治療への第一歩です。


